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なぜディガーが必要か

なぜディガーが必要か

パークは楽しい反面、怪我の要素が多い遊び場です。
危険度を限りなくゼロにするために、ディガーがアイテムの製作・整備を行い、パークの維持と管理をしています。
この章では、ディガーの活動内容からその必要性を見ていきます。

2-1 怪我を減らす

「上級者は、自らの判断ミスで怪我をする。初中級者は、自ら判断が出来ないために怪我をする。」
ディガーは初中級者の怪我を減らすために、アイテムの飛び出しやランディング等を定期的にチェックして整備をします。
この定期頻度は天候により変動します。

また、下記のような項目が怪我の予防として考えられます。

〇 安全のため、整備後のファーストランは必ずディガーが行う
〇 可能な限り実際に滑ってバーンの変化を確認する
〇 バナーやハイヤーバーはリップから一定の距離(最低1.8m)をおいて設置する
〇 壊れたバナー等は速やかに撤収する
〇 ランディング、パイプのドロップアウトなど、危険なところでの座り込みなどがないように常に確認する
〇 危険な状態のアイテムは時間に関係なくクローズにする
〇 大きな穴が空いたり、土や岩が出たりした場合はポールにて注意喚起する
〇 ゲレンデ内での他のお客様へ迷惑を及ぼすような撮影やその他の行為について監視、取り締まりを行う
〇 レールやBOXの板が外れて危険な状態になっていないか注意する
〇 レールやBOXにバリが出ていないか確認し、出ている場合はその場で修繕する
〇 怪我人を発見したら速やかに正確な場所、自身の名前、怪我人の年齢、怪我人の性別、怪我の部位、 (意識が有る場合、年齢、どんな転び方をしたか、体のどの辺が痛そうか)を無線で本部もしくはパトロールに伝える

上級者向けパークは雪上車の技術を持った人間と、上級滑走技術を持った人間がいれば作れます。
初中級パークは「ディガーのプロ」「滑りのプロ」「パークでの雪上車技術」を併せ持つことによって初めて安全なものが出来ます。

ディガーは、安全「滑走」に直接かかわる唯一の職種です。
怪我人の数はディガーの責任だと心得ましょう。

2-2 楽しさの創造

「パークを作る事が何を生み出すのか?」

ジャンプを作ってみたところ、滑っている人がめきめき上達していくではありませんか。
そして、楽しんだうえに上達できた事で「充実した時間を過ごせた」と感謝されました。
パークでの楽しさの創造は、ディガーにしか出来ない事なのです。

滑走者が楽しいと思えるには、以下の項目が有効です。
〇 上達の変化がわかるレイアウトと整備(朝と帰りで、もしくは前回と今回で比べると上達している事が分かるように、タイミングを計ってレイアウトを変える等の“整備マジック”をかける)
〇 仲間と滑れるレイアウト(違うレベル、違うジャンルの仲間や家族が一緒のバーンを滑る事の出来るレイアウト)
〇 程よい疲労感のもてるレイアウトと管理(パーク全体のレベル別レイアウトの距離とオープン・クローズ時間の調整)
〇 集中力の持続時間を一般レベルに合わせる(連続レイアウトの距離と個数の調整)
〇 程よい緊張感を促す工夫(視覚効果、バーンの硬さの調整)

滑走者には、ベーシックな楽しみ方や新しい楽しみ方を伝えていきましょう。
そして、自分が作ったもので自分も楽しめるうえに、感謝までされる。
ディガーだけが得られる充足感を喜びましょう。

2-3 自然との仲介役

ディガーは自然環境の中でパークを調整します。
「15時間かけて仕上げたパイプが1時間で雪に埋もれてしまう」
「フラットにして置いたBOXが、15分の日差しの熱で傾いてしまう」
「きれいに圧雪したバーンが、気温で荒れてしまう」
「仕上がったパークが霧、雨、風でオープンできない」
「最高の形に仕上げたキッカーが、積もった雪で変形する」

以上のように、自然に太刀打ちする事は不可能ですから、
その地域、そのゲレンデにおいての環境を深く把握し、逆らわないようにする事から始めます。
また、自然の中で楽しむウィンタースポーツでは、刻一刻とコンディションが変わります。
そのときに応じた楽しみ方や、時には予期せぬ危険があることを滑走者に伝えていきましょう。

〇 山の自然環境を調べる
 1.雪質
 2.風質
 3.降雪量
 4.山の標高
 5.気温と湿度
 6.斜面の方位
 7.晴天率[ガス率]
 8.山頂と麓の標高差
 9.すべてのコースの合流点
○ アイテム構築を基準に、スノーリゾートの雪質や気象にあわせたセッティングにする
○ 雪が降ることを視野に入れて配置する
○ 天候の急変があった場合、パイプ・パークの状況を確認して、オープンの可否の判断を素早く行う

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